試乗は欠かせない

ハイラックスサーフ215

長く乗ることが前提であれば自然と新車が選択肢に。中古車の試乗も無くはないけど、専用の試乗車を用意しているディーラーと比べると自由度は当然低い。何年分かの貯金に相当する資金を投入するのだからワガママに選びたいものです。

車種の絞込みをおえたIさんは残る3車について試乗してみることにしました。ショウルームで納得いくまで座席や荷室、操作盤を見てから実際に車に乗り込みます。数多くの車を扱うディーラーの担当がその車の全てを知っていることは少ないものです。話のアヤなどがないようにIさんは気になることを自分でよく調べてから試乗へと向かいました。

サーフ

北米市場で健闘しているものの国内では振るわない215サーフですが、Iさんは以前駐車場で愛車のアコードの横に並んだ黒のサーフがじつは気になっていました。80系ランクルと遜色ないサイズと威圧感のあるエクステリアが印象的だったのです。しかもあまり見かけない・・。

近くのトヨタ店に行ってみるとシルバーの試乗車がありました。しかも2.7のリミテッド。買えるとすればこのグレードしかない上に、2.7Lの排気量でこの巨体をどこまで走らすことができるのか興味がありました。

思いのほか低いサイドシルを跨ぎ乗り込むと他の2車種よりも明らかに広い室内空間と、意外と上質なインテリアが待ち受けていました。運転したフィーリングもまた意外で、トラッキーな雰囲気は微塵もなく乗用車ライクな乗り心地です。コーナーでの揺り返しはもちろんありますが実にソフトです。走り出しも軽く、ベタ踏みすれば一気に加速する力もあります。

ただし、坂で回転をおとして再度加速すると明らかに力不足です。大人3人乗車で1500回転以下に落としてから3速のままアクセルを踏みなおしてみましたがやはり重い車体が災いします。ギアをひとつ落とさなければ再加速できません。しかし運転の仕方一つなのでこれは割り切ってもいいかな、と思いました。

もうひとつ気になったのがタイヤの接地感がいまひとつつかめないこと。アクセルもブレーキもハンドルもストレスなく応答するのですがいまひとつ路面の状況が伝わってきません。スポーティーなホンダに対してトヨタらしい大人向けの車作りという印象です。あまりあれこれ考えずにのんびり車任せに運転しろと言われている気がしました。

せっかくなのでIさんは未舗装の道を走らせてもらうことにしました。車一台ぶんがやっとの耕作道、草がぼうぼうでがたがたな道ですが、50キロ出しても怖くありません。笑ってしまう快適さです。なにせ住宅街の細い路地には除雪がきちんと入りませんからがたがたの路面があちらこちらに出現します。ローダウンの車だと道を選ぶことになりIさんにとってはちょっとしたストレスでした。この車なら冬道の運転も楽そうです。

エクストレイル

フルモデルチェンジしたばかりのエクストレイルですが、見た目は旧モデルとあまりかわりません。頼りない馬力のその試乗車は・・・驚くほど軽いフィーリングです。最高速度は望むべくもないのでしょうがCVTとの組み合わせでストレスのない走りを実現しています。値段も手ごろでハードに使えそうな雰囲気です。しかし、これに10年乗ったら自分はいくつだろう??と考えると・・・赤が最も映えるこの車はIさんにとって第1候補にはならないのです・・。

CR-V

アコードから乗り換えるIさんにとって最も違和感がないのはこの車に違いないと思っていました。 なんせアコードの足回りを目指したといわれるSUVです。レギュラーガソリンのNAですが170psでミッションも進化しているため恐ろしくパワフルに走ります。HIDやパワーシートなどを標準装備して4駆の中間グレードが280万円。悪路走破性はともかく凍結路面は上手にこなしてくれそうです。燃費も文句なし。大きすぎず狭くなく、余分な馬力を持たずに軽快に走る・・よく考えられたパッケージングです。性能とインテリアの懲り方に大差があるもののBMW のX5やVWのトゥアレグの価格を考えるとCR-Vはかなり安い買い物に見えます。コストパフォーマンスではアウトランダーが・・・という意見もあるでしょうが、上品さというか目指すものが違うと感じるのでIさんは敢えて比較しませんでした。ただ、悪く言えばCR-Vはなにを目指して作ったのかイメージが持てない車とも言えます。そして悲しいことにこの車が主に活躍できるのはやはり乾いた舗装路面ということになります。乗り換える意味があるのか?という疑問がつきまといます。